あなたが寝てる間に

「あなたが寝てる間に」

昔、そんなタイトルの映画があったことを
思い出すような出来事があったので
記録しておきます。

昨日のサザンセト・大島ロードレースで
ハーフマラソンを走り終わった後のこと。

今回の大会は朝から雨が降っていたので
一緒に来る予定だった家族は家に残して
自分一人、車で会場入りしていました。

レースが終わって帰ろうと車に乗り、
助手席に置いた荷物から
ケータイか何かを取り出そうと
ほんのちょっと無理な体制をとった時、

左肩が脱臼!

Oh!シット!!

左肩をブラブラしてはめようと試みましたが
今回も自分ではめることができませんでした。
むしろ、どんどん痛みが強くなってきました。

車という密室
助けを呼べる人もおらず
一人で悶絶していました。

左肩が脱臼した状態のまま
右腕のみで広島まで車を運転して
帰宅する自信はありませんでした。

こうなったら最後の手段しかありません。
恐る恐る、ケータイで「119」をダイヤルしました。

幸い、車をとめていたのは
会場から約5km離れた臨時駐車場でした。
早めに会場を出ていたのもあり
これなら人の目に触れるのは限定的だと思いました。

救急車が到着し
人生で初めて救急車に乗車しました。

救急隊員が整形外科のある病院と電話していますが
日曜日なので交渉が難航していました。

でも最終的にここから数百メートルという近場の
安本医院という病院に行くことになりました。
ここは整形外科はありませんが、
同じく「ロードレースで倒れた人を診ている」ということで
ついでに私も診てもらえることになりました。

病院に着くとレントゲンを撮り
脱臼を治すためベッドに横になるように言われました。
しかし痛すぎて横になることができませんでした。

そのため麻酔を打つことになりました。

右腕に注射をすると
「ちょっと眠くなりますよ〜」
と言われる通り、
すぐに頭がフワ〜っとしてきて
意識が遠くなり
そのままベッドに横になりました。

まるで映画「トレインスポッティング」で
主人公のレントンがとびきりの上物(ヘロイン)を打って
じゅうたんに吸い込まれて行くシーンのようでした。

↓そのシーン。

自分の周りには人の気配がなくなり、
脈拍を測るピコーン、ピコーンという音だけがしていました。
麻酔が効くまでしばらく時間がかかるのかな?
と思っていました。

しばらく時間が経っても肩の感覚はあるし、
麻酔効いているのかな?
でも痛みはなくなってきたな、
と思っていました。

その時、目の前を看護婦さんが通り過ぎて

「目が覚めましたか?」

と言われたので

「いや、寝ていませんよ」

と答えました。

ただ、麻酔のおかげなのか、
肩の痛みがなくなっており
これなら、肩をグリグリされても
大丈夫!と思いました。

それより、いつ肩を入れるんだろうと思い

「肩、これからはめるんですよね?」

ときくと

「もうハマっていますよ!
さっき寝ていた時に先生がはめていましたよ。」

ハァ?

寝ていたのか!?
時計を見ると病院に来て既に1時間が経過していました。
脱臼の痛みがないのは麻酔のせいではなく、
もうハマっていたのでした。
筋肉が張っている痛みだけで、完全に治っている!

私が寝ている間に・・・!

普通は脱臼を治すのは
ねじったり、引っ張ったり
痛みを伴うのですが、今回の治療は全く無痛。

患者が痛がっていると
肩をはめようとしても
反発して力が入り
医師もなかなか思うようにはめられないので
患者が麻酔で寝ている間に、
肩をはめるのだそうです。

なんだかよくわからないうちに治っていたが、
これなら家に帰れる!
お礼を言って病院を出ました。

そして歩いて駐車場まで戻り、車に乗りました。

看護婦さんから
「車を運転する前に水分を取ってください」
と言われていたので
すぐ近くのセブンイレブンで水を買うことにしました。

セブンイレブンの駐車場に車を停めて
助手席から財布を取り出そうと
ついうっかり、また左腕を伸ばした時、

左肩が「グギッ!!」

ファック!!またやってしまった!

本日2度目の脱臼です。

なんたる絶望感!

さすがに二度目の救急車は呼べませんでした。

そのまま、フラつきながら
さっきの病院まで歩いて行きました。

すると看護婦さんが
「先生〜!
脱臼が戻ってきましたぁー!!」


「脱臼の人」とかではなく、
「脱臼」という固有名詞になっていました(猛爆

そして今回もベッドに横になることができず
また麻酔注射を打つことに。

しかし、今回は意識もある。
周りの人の声も聞こえている。
ピコーン、ピコーンも聞こえている。
右腕の麻酔注射の痛みも感じている。
起きている!
そして、左肩の脱臼の痛みが和らいでいる。
もういつでも脱臼の治療、始めてもオッケーですよ!
そう思っていた時

目の前を先生が通り過ぎたので

私「先生・・・」

先生「起きましたか?」

ハァ?また寝ていたのか!?

先生「肩、はめておきましたよ。」

麻酔注射の瞬間に意識が飛んでるんだな!
もう、あまりの感覚の無さに、笑けてきた!!

肩も完全に治してもらっていました!

また私の寝ている間に・・・!

時間も45分くらいすぎていました。

これまでの人生で、
全くの空白、意識の欠如の時間、
合計1時間45分を樹立してしまいました。

そして今度は無事に家に帰れました。

ただ、もう、肩がこうなってしまっては
多少インナーマッスルを鍛えたくらいでは
対処できないような気がします。

もう、こんな肩嫌だ!!

本気で手術をしようかと考え中!